在留カード更新の完全ガイド|申請期間・必要書類・オンライン申請まで解説

私は行政書士として10年以上、外国人の在留資格申請を専門に扱ってきました。入管窓口で実際に申請を取り次いだ経験から、つまずきやすい点を中心に書きます。
この記事で分かること。申請期間と費用、在留資格の種類別の必要書類の違い、オンライン申請の手順、そして不許可・期限切れになったときの対処法までです。
在留カード更新とは?まず知っておきたい基本

「在留カードの更新」という言葉、実は2つの手続きが混ざって使われています。私が相談を受けるときも、ここをまず整理するところから始めます。
1つは「在留期間更新許可申請」。もう1つは永住者などの「在留カードの有効期間更新申請」です。多くの方が必要なのは前者です。
在留カードと在留資格の違い
在留資格は「日本に居てよい理由・身分」のこと。技術・人文知識・国際業務、留学、永住者などの区分です。在留カードは、その資格を持つ中長期在留者に交付される身分証明書のカードです。
在留カードは、上陸許可や在留資格変更許可、在留期間更新許可などに伴って交付されます。つまりカードは資格に紐づく、と覚えてください。
更新が必要になる理由と有効期限
在留資格には在留期間(1年・3年・5年など)があり、満了すれば日本に居続けられません。だから期間が切れる前に更新するわけです。
一方、永住者には在留期間そのものはありませんが、在留カードのカード自体には7年などの有効期間があります。永住者の方が「更新」と言うときは、たいていこのカードの有効期間更新です。
更新と在留資格変更(転職・離婚・卒業)の違い
ここは混同が多い。同じ在留資格を続けるなら「更新」、別の資格に切り替えるなら「変更」です。
例えば留学生が卒業して就職するなら、留学から技術・人文知識・国際業務への「変更」。転職しても同じ職種カテゴリ内なら「更新」で足りることが多いです。離婚で日本人の配偶者等の身分を失った場合は、別の資格への変更を検討します。
正直、判断に迷うケースは少なくありません。同じ会社で同じ仕事を続けるなら更新、と単純化しすぎると失敗します。職務内容が変わっていないか、必ず確認してください。
在留カード更新の申請期間・費用・申請先
まず数字を押さえます。在留期間更新許可申請は満了日以前に行い、6か月以上の在留期間を持つ人は満了日のおおむね3か月前から申請できます。手数料は窓口6,000円、オンライン5,500円です。

申請できるのはいつから?期限前の目安
私が勧めるのは、期限の3か月前に動き出すこと。書類集めに時間がかかるからです。
| 対象 | 申請開始時期 |
|---|---|
| 6か月以上の在留期間を持つ人(在留期間更新) | 満了日のおおむね3か月前から |
| 在留カードの有効期間更新(一般) | 有効期間満了日の3か月前から満了日まで |
| 永住者・高度専門職2号(カード有効期間更新) | 有効期間満了日の2か月前から |
| 16歳未満で有効期間が16歳の誕生日の人 | 誕生日の6か月前から |
更新手数料と支払い方法(収入印紙・オンライン決済)
窓口で許可されたときは6,000円分の収入印紙を納めます。郵便局などで購入し、交付時に手数料納付書へ貼って提出する流れです。
オンライン申請なら5,500円で、500円安い。納付はオンライン決済が使えます。少額ですが、家族分まとめると差は無視できません。
なお、2025年3月31日までに受け付けた申請は、許可が2025年4月1日以降になっても改定前の4,000円が適用される、という経過措置がありました。今から申請する方には関係しませんが、念のため。
申請先の出入国在留管理局と受付時間・相談窓口
提出先は、住居地を管轄する地方出入国在留管理官署です。住んでいる場所で決まる、と覚えてください。
窓口の受付時間は原則として平日9:00〜12:00、13:00〜16:00。昼休みで一度閉まるので、午前か午後の早い時間が無難です。私の感覚では、月曜と月末は混みます。
在留カード更新に必要な書類と準備
必要書類は在留資格によって大きく変わります。ここを一括りにした記事が多いのですが、就労系と身分系では別物です。

共通して必要なのは、申請書、顔写真、パスポート、在留カードの提示。これに資格ごとの立証資料が加わります。
在留資格の種類別(就労系・身分系・留学)の必要書類の違い
| 区分 | 代表的な資格 | 主に求められる書類 |
|---|---|---|
| 就労系 | 技術・人文知識・国際業務など | 在職証明書、源泉徴収票、住民税の課税・納税証明書、勤務先の会社資料 |
| 身分系 | 日本人の配偶者等、定住者、永住者の配偶者等 | 住民票、課税・納税証明書、配偶者の戸籍など身分関係を示す資料 |
| 留学 | 留学 | 在学証明書、成績・出席状況の証明、経費支弁に関する資料 |
就労系で見られるのは納税の状況です。住民税を払っていないと、それだけで審査が長引くか、不利に働きます。私の実務でも、未納が原因で説明書を追加提出したケースは何度もありました。
課税証明・納税証明・在職証明などの入手先と取得方法
| 書類 | 入手先 | 補足 |
|---|---|---|
| 住民税の課税証明・納税証明 | 住んでいる市区町村の役所 | 1月1日時点の住所地で取得。年度に注意 |
| 在職証明書 | 勤務先 | 会社の人事・総務に依頼 |
| 源泉徴収票 | 勤務先 | 年末調整後に発行されたもの |
| 在学・成績証明 | 通学先の学校 | 事務窓口で発行 |
つまずきやすいのは課税証明の「年度」。最新年度が出ていない時期は、前年度を求められることがあります。取得前に必要年度を確認してください。
顔写真の規格と不備でやり直しになる典型例
写真は縦4cm×横3cm、申請前3か月以内に撮影した無帽・無背景のものが基本です。ここは入管の規定を必ず確認してください。
私が見たやり直しの典型例。前髪が目にかかっている、背景に影が出ている、サイズを自分でカットしてズレた、の3つが多い。証明写真機で「在留申請用」を選べば失敗が減ります。
在留カード更新の手続きの流れと受け取り方法

流れ自体はシンプルです。書類を整える、入管に提出、審査、結果通知、交付。標準処理期間は2週間〜1か月と案内されています。
申請から審査・交付までの流れ
窓口で受け付けられると、パスポートに受付印が押されます。審査が終わると、はがきで結果が届きます。
許可なら、はがき・パスポート・在留カード・手数料納付書(収入印紙貼付)を持って再度窓口へ。新しい在留カードがその場で交付されます。
審査期間の目安(2週間〜3ヶ月)と長引く要因
公式の標準処理期間は2週間〜1か月ですが、実務では3か月近くかかる例も珍しくありません。差が出るのは中身次第です。
長引く要因として私がよく見るのは、住民税の未納、職務内容の説明不足、提出書類の不足です。追加資料を求められると、その分だけ後ろにずれます。最初に隙のない書類を出すのが、結局いちばん早い。
扶養家族・家族滞在者の更新を同時に行う手順
家族滞在の配偶者・子どもがいる場合、本人の更新と同じタイミングで一緒に申請できます。私は基本的にまとめて出すよう勧めています。
理由は2つ。扶養者の収入や納税の資料が共通で使えること、家族の在留期間がバラバラになるのを防げることです。それぞれ申請書と写真は人数分必要なので、忘れずに用意してください。
オンライン申請のやり方と利用できないケース
オンライン申請は手数料が500円安く、窓口に行く回数も減らせます。ただし事前の利用者情報登録が必須で、使えない申請類型もあります。

私の実感では、初回の登録さえ越えれば2回目以降は格段に楽です。
利用者情報登録とマイナンバーカード連携の手順
流れはこうです。出入国在留管理庁の電子届出・申請システムで利用者情報を登録し、本人確認を済ませます。マイナンバーカードを使うと本人確認がスムーズです。
なお2026年6月14日から、マイナンバーカードと一体化した「特定在留カード」の制度が始まるという案内があります。これは現時点で公式の確定情報として要確認の段階なので、頭の片隅に置く程度で構いません。
オンライン申請の具体的な流れ
ログイン後、在留期間更新許可申請を選び、必要事項を入力。添付書類のデータと顔写真をアップロードし、手数料をオンライン決済します。
審査が終わると通知が届き、新しい在留カードは郵送で受け取れます。窓口に並ばなくて済むのが最大の利点です。
オンライン申請が対象外となる申請類型
すべての申請がオンラインで完結するわけではありません。利用者の登録要件を満たさない場合や、対象外の申請類型は窓口対応になります。
自分のケースが対象かどうかは、申請前にシステムの案内で必ず確認してください。ここを確認せず進めて、結局窓口に行くことになった、という相談は実際にあります。
【要注意】不許可・期限切れになったときの対処法
ここが一番不安なところでしょう。結論、不許可でも即アウトではないし、審査中に期限が切れても一定期間は適法に居られます。落ち着いて対応すれば取り返せます。

更新が不許可・不交付になった場合の再申請の流れ
不許可になったら、まず理由を確認します。入管で不許可理由を聞ける機会があるので、必ず行ってください。理由が分からないまま再申請しても、また同じ結果になります。
理由をつぶして書類を補強し、再申請する。職務内容の不一致なら説明書で補い、納税の問題なら納付して証明を添える。私の実務でも、理由を正確に潰した再申請で許可された例は多いです。
申請中に在留期限が切れた場合の特例期間2ヶ月の扱い
期限内に更新申請を出していれば、審査結果が出るまで、または満了日から最大2か月までは、引き続き適法に在留できます。これがいわゆる特例期間です。
つまり、期限ギリギリでも「申請さえ受理されていれば」不法滞在にはなりません。だからこそ、満了前に必ず申請を済ませることが命綱になります。
オーバーステイ・不法滞在になった場合の罰則と在留特別許可
申請をしないまま期限を過ぎると、オーバーステイ(不法残留)です。退去強制の対象となり、上陸拒否期間も生じる重い結果になります。
ただし、事情によっては在留特別許可で在留が認められる道もあります。これは例外的な救済で、確実なものではありません。期限切れに気づいたら、自分で判断せず早く専門家か入管に相談してください。
更新後にやるべき手続きと届出

新しいカードを受け取って終わり、ではありません。住所や勤務先が変わっていれば届出が必要ですし、運転免許や銀行など波及する手続きもあります。
住居地・勤務先・身分関係の変更時の届出
引っ越したら、14日以内に市区町村へ住居地の届出をします。勤務先(所属機関)が変わった場合や、配偶者と離婚・死別した場合も、入管への届出が原則14日以内に必要です。
この届出を怠ると、次の更新で印象が悪くなるだけでなく、過料の対象にもなります。地味ですが軽視しないでください。
運転免許・銀行・携帯・社会保険などへの波及対応
在留カードの番号や有効期限が変わると、各種登録の更新が必要になることがあります。私が顧客に渡しているチェックリストを共有します。
| 対象 | 確認・更新すること |
|---|---|
| 運転免許 | 在留期間に連動するため有効期限の確認・更新 |
| 銀行口座 | 在留カードの更新内容の届出(金融機関により異なる) |
| 携帯電話 | 契約上の本人確認情報の更新 |
| 社会保険・年金 | 勤務先経由での情報整合の確認 |
全部を一気にやる必要はありませんが、運転免許だけは在留期間と直結するので早めに。
海外渡航・再入国許可と更新時期が重なる場合の対応
更新の時期に海外出張や帰省が重なると厄介です。短期の出国なら、みなし再入国許可で出国時に意思表示すれば1年以内の再入国ができます。
ただし在留期間の満了日より前に戻れることが前提です。更新を控えているなら、出国前に申請を済ませるか、戻ってから余裕をもって申請する。タイミングは慎重に組んでください。
在留カード更新に関するよくある質問
窓口や相談でよく聞かれる質問をまとめます。費用と手数料は前述のとおり、窓口6,000円・オンライン5,500円です。

申請取次者(行政書士)への委任のメリットと費用相場
行政書士に頼む最大のメリットは、書類の隙を事前に潰せることと、本人が窓口に行かなくて済むことです。特に就労系で立証が複雑なケースでは効果が大きい。
正直に言うと、身分関係が安定していて書類が単純な更新なら、自分で十分できます。私が委任を勧めるのは、転職直後・納税に不安がある・過去に不許可がある、といったケースです。費用は事務所や難易度で幅があるので、見積もりを取って比較してください。
在留期間(1年・3年・5年)の判断基準と長期付与のポイント
何年もらえるかは入管の裁量です。私の経験から言える傾向は、納税をきちんとしている、勤務先が安定している、届出を怠っていない、この3点が揃うと長めの期間が出やすい。
逆に、転職直後や納税に不安があると1年で様子見、というパターンをよく見ます。長期を狙うなら、日頃の生活実態を整えておくことが結局の近道です。
審査の進捗確認・問い合わせの方法
標準処理期間(2週間〜1か月)を大きく過ぎても連絡がないときは、申請した地方出入国在留管理官署に問い合わせます。受付番号を控えておくとやり取りが早いです。
催促で審査が早まるわけではありませんが、追加書類の依頼を見落としていないか確認できます。郵便物のチェックも忘れずに。
よくある質問
最後に一言。更新は「期限前に、書類を隙なく」が全てです。期限が見えたら今日からカレンダーに3か月前の日付を入れてください。それが一番の失敗予防になります。
