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特定技能2号の対象職種11分野を徹底解説|1号との違い・移行方法

田中 誠一 / 更新:2026-06-19
特定技能2号の対象職種11分野を徹底解説|1号との違い・移行方法
「うちの業種は特定技能2号に移れるのか?」——相談に来る企業の担当者から、まずこの一言が出ます。結論から言うと、2号の対象は介護を除く11分野。建設や造船だけだった頃とは状況が一変しました。

この記事では、2号で働ける分野の全体像、1号との違い、移行に必要な試験や手続き、家族帯同や永住権への道筋までを通しで整理します。

私は行政書士として外国人の在留資格申請を10年以上扱ってきました。窓口でのやり取りや実際の申請で得た感覚も交えて書きます。料金など、公的な根拠が確認できない数字は書きません。そこは正直にお伝えします。

特定技能2号の対象職種とは?まず結論

「特定技能2号」対象の拡大理由とは!?
「特定技能2号」対象の拡大理由とは!?

特定技能2号は「熟練した技能を要する」在留資格です。法務省はそう位置づけています。1号より一段上の技能を持つ人向け、と捉えるとわかりやすいです。

対象は介護を除く11分野。2023年6月9日の閣議決定で、対象分野が大きく広がりました。それ以前は建設と造船・舶用工業の溶接区分だけでした。

特定技能2号で働ける11分野の一覧

拡大によって、ビルクリーニング、工業製品製造業、自動車整備、航空、宿泊、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業が新たに2号の対象に入りました。造船・舶用工業は、溶接区分だけだったものが「溶接以外の区分すべて」に広がっています。

特定技能2号の対象11分野(介護を除く)
法務省の案内に基づく。建設・造船は拡大前から対象だった分野を含む。
分野2号対象の経緯
建設拡大前から対象
造船・舶用工業溶接区分は従来から対象、拡大で全区分が対象に
ビルクリーニング2023年の拡大で追加
工業製品製造業2023年の拡大で追加
自動車整備2023年の拡大で追加
航空2023年の拡大で追加
宿泊2023年の拡大で追加
農業2023年の拡大で追加
漁業2023年の拡大で追加
飲食料品製造業2023年の拡大で追加
外食業2023年の拡大で追加

法務省の案内では、これにより特定技能1号の12分野のうち、介護を除く全分野で2号の受け入れが可能になった、と説明されています。

なぜ介護だけ2号の対象外なのか

よく聞かれます。「介護は人手不足なのに、なぜ2号がないの?」と。

理由は、介護にはすでに在留資格「介護」という別ルートが用意されているからです。介護福祉士の国家資格を取れば、その資格で在留期間の更新を続けながら長く働けます。だから介護分野では、わざわざ特定技能2号を新設する必要性が低い、という整理になっています。

つまり介護は2号がないのではなく、長く働く道が別にある、と理解するのが正確です。

特定技能1号との職種範囲の違い

1号は12分野、2号は介護を除く11分野。分野の数だけ見ると1つ違うだけです。

ただ実務上の違いは大きい。1号は「相当程度の知識・経験」、2号は「熟練した技能」が前提です。同じ分野でも、2号は現場をまとめられるレベルが求められると考えてください。

特定技能1号と2号の違いを項目別に比較

1号と2号は、在留期間・家族帯同・企業の支援義務まで、根本的に性格が違います。法務省は2号を熟練技能の資格と位置づけており、待遇面でも一歩進んだ制度設計です。まず全体像を表で押さえます。

特定技能1号と2号の違いを項目別に比較
特定技能1号と2号の主な違い
在留期間の更新無制限・家族帯同の扱いは二次情報による記述であり、最新の運用は公式案内での確認を推奨。
項目1号2号
技能水準相当程度の知識・経験熟練した技能
対象分野12分野介護を除く11分野
支援義務受け入れ機関に支援義務あり2号では原則不要
家族帯同原則認められない認められる(要確認)

在留期間と更新回数

1号は通算で上限が決まっており、その範囲で更新を重ねます。2号については、更新を続けて長く働ける資格として運用されています。

ここで正直に補足します。「2号は更新無制限」という説明は二次情報では見かけますが、今回確認した一次情報の範囲では断定できません。期間の細部は申請前に公式案内で確かめてください。

技能水準と必要な日本語レベル

2号は熟練技能が前提です。1号への入口で求められる日本語試験のような形ではなく、分野ごとの技能試験で「現場で通用する力」を示す建て付けになっています。

私の感覚では、ここが最大のハードルです。書類より、まず試験に受かること。それが2号の出発点になります。

家族帯同の可否

1号は原則として配偶者や子の帯同が認められません。2号は家族帯同が可能、という説明が一般的です。

ただしこれも、今回の一次情報一覧では直接の裏づけが取れていません。実際に家族を呼ぶ計画があるなら、申請時点の要件を入管に確認したうえで動くのが安全です。

受け入れ企業の支援義務と負担の変化

企業側の視点で言うと、ここが2号の大きなメリットです。1号では受け入れ機関に支援義務があり、生活オリエンテーションや相談対応などを担います。

2号になると、この支援義務が原則として外れます。登録支援機関への委託費用がなくなる分、企業の継続コストは軽くなります。長く働いてほしい人材ほど、2号への移行は企業にも合理的です。

特定技能2号になるための試験と移行の流れ

2号は熟練技能の資格なので、その技能を客観的に証明する必要があります。多くは分野ごとの技能試験に合格し、加えて一定の実務経験を示す流れです。試験名や受験料の細部は、分野を所管する省庁・試験実施機関の最新案内が一次情報になります。

特定技能2号になるための試験と移行の流れ

分野別の技能試験の種類と難易度

2号の技能試験は分野ごとに別物です。建設なら建設分野の2号評価試験、宿泊なら宿泊分野の試験、というように所管が分かれています。

難易度の体感を一言で言うと、「現場の責任者として動けるか」を問う内容です。1号の試験が入門編なら、2号は実務の集大成。受験前に、所管省庁や試験実施機関の公式ページで出題範囲を必ず確認してください。

1号から2号へ移行する手順と必要書類

実務の流れはおおむねこうです。①分野の2号技能試験に合格 ②必要な実務経験を満たす ③在留資格変更許可申請を入管へ提出。1号からの移行は、この変更申請の形で行います。

書類は、申請書、技能試験の合格証明、雇用契約書、所属企業の資料などが中心になります。分野によって追加資料が変わるので、申請取次の専門家か入管に事前相談するのが結局いちばん早いです。

審査期間の目安と注意点

審査期間は事案や時期で動くため、一律の日数は断定しません。実務上は、書類の不備で差し戻されると一気に延びます。

私が現場で見て多いつまずきは、試験合格と実務経験の対応関係が説明できていないケース。「合格はしたが、その経験をどの会社でいつ積んだか」がつながらないと、追加資料を求められます。最初から時系列を整理しておくのが結局の近道です。

特定技能2号の給与・待遇と家族帯同の実際

【意外と知らない】特定技能2号のリスクについて解説
【意外と知らない】特定技能2号のリスクについて解説

待遇の話は誰もが気にします。ただし、私が確認した一次情報の中に「2号の給与相場はいくら」と言える公的な金額データはありません。だから具体的な相場額は書きません。代わりに、制度上どう設計されているかを説明します。

給与水準・待遇の相場

特定技能では、日本人と同等以上の報酬であることが前提です。2号は熟練技能の資格なので、1号より上の役割・賃金になることが自然な流れです。

正直に言うと、相場をX万円と書けたら親切なのですが、根拠のない数字を出すのは専門家として避けます。自社の賃金テーブルと、同じ仕事をする日本人社員の水準を基準に考えるのが現実的です。

配偶者・子を呼ぶ手続きと扶養要件

2号で家族を呼ぶ場合、配偶者や子は「家族滞在」の在留資格を取得する形になります。本人が家族を扶養できる収入があること、住む場所が確保されていることが見られます。

前述のとおり家族帯同の可否は申請時の運用確認が前提です。呼び寄せを前提に動くなら、収入を示す資料と住居の準備を早めに整えておくと、申請がスムーズになります。

認められる転職・就労範囲

特定技能は、許可された分野・業務の範囲で働く資格です。同じ分野の中での転職は可能ですが、まったく別の分野へ自由に移れるわけではありません。

転職する場合も、新しい勤務先での就労に向けた手続きが必要です。「2号なら何でも自由」と誤解したまま動くと、就労できない空白期間が生まれます。ここは慎重に。

特定技能2号から永住権を目指す道筋

2号が注目される最大の理由が、永住への道が開けることです。1号の在留期間は永住申請で必要な居住年数に算入されない扱いですが、2号は就労資格として腰を据えて働けます。長期の在留設計が立てやすくなります。

特定技能2号から永住権を目指す道筋

在留年数のカウント方法

永住申請では、一定期間日本に継続して在留していることが前提になります。2号は更新しながら長く働ける性格のため、年数を積み上げていく土台になります。

細かなカウントの可否は個別事情で変わります。1号時代の年数がどう扱われるかも含め、永住を本気で狙うなら申請前に専門家へ確認してください。

永住申請の主な要件との関係

永住は、年数だけでなく、素行が善良であること、独立して生計を営めること、納税や社会保険の義務を果たしていることなどが総合的に見られます。

私の実感として、ここで効くのは日々の積み重ねです。税金や年金の未納は致命傷になりやすい。2号で長く働く間に、こうした基本を崩さないことが永住への一番の近道です。

建設・造船が先行した経緯と分野ごとの運用差【独自解説】

ここは競合記事であまり踏み込まれない部分です。2号は最初から11分野あったわけではありません。建設と造船・舶用工業の溶接区分という、たった2つの枠から始まりました。この経緯を知ると、なぜ分野ごとに準備状況が違うのかが腑に落ちます。

建設・造船が先行した経緯と分野ごとの運用差【独自解説】

先行2分野だった理由

建設と造船は、もともと熟練技能の評価制度が整っていた分野です。技能をランク付けして判定する仕組みが先にあったため、2号という上位資格を載せやすかった。これが先行の背景だと私は見ています。

逆に言うと、後から追加された9分野は、2号の試験や評価の運用を新しく整える必要がありました。

他分野の運用開始時期の違い

2023年の閣議決定で対象は広がりましたが、各分野で2号試験が実際に動き出す時期にはズレがあります。試験の準備が整った分野から順に受験できるようになっていく、というのが実態です。

だから「うちの分野は対象に入ったのに、まだ受けられる試験がない」という時期も起こり得ます。自分の分野の試験スケジュールは、所管省庁の最新案内で確認するのが確実です。

不許可・不更新になりやすい失敗例

実務で見てきた、つまずきやすいパターンを挙げます。まず、技能試験の合格と実務経験が結びつかない申請。次に、報酬が日本人と同等以上であることを資料で示せていないケース。

もう一つ多いのが、税や社会保険の納付状況に穴があるパターンです。2号の許可後も、更新や将来の永住で必ず効いてきます。移行に時間と費用をかけたのに、ここで足をすくわれるのは本当にもったいない。動く前に足元を固めてください。

特定技能2号 対象職種に関するよくある質問

特定技能2号とは?現職の支援員が仕組みや導入メリットを徹底解説
特定技能2号とは?現職の支援員が仕組みや導入メリットを徹底解説

相談現場で実際に多い質問を、要点だけ短くまとめます。金額については、公的な一次情報で確認できる数字がないため断定せず、確認先を示す形にしています。

よくある質問

特定技能2号の対象職種とは?
介護を除く11分野です。建設、造船・舶用工業、ビルクリーニング、工業製品製造業、自動車整備、航空、宿泊、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業が対象です。2023年6月9日の閣議決定で、建設と造船の溶接区分だけだった対象が一気に広がりました。
費用はどれくらいかかる?
正直にお答えすると、今回確認した公的な一次情報の中に、2号の申請手数料や受験料を断定できる金額データがありません。費用は試験の受験料、変更申請の手数料、専門家へ依頼する場合の報酬などに分かれます。正確な額は所管省庁や試験実施機関の公式案内で確認してください。
どうやって始めればいい?
1号からの移行が基本ルートです。①自分の分野の2号技能試験に合格 ②必要な実務経験を満たす ③在留資格変更許可申請を入管へ提出、という流れになります。まずは自分の分野で2号試験が実施されているかを所管省庁のページで確認するところから始めてください。

最後に一言。2号は「長く働き、家族と暮らし、永住へ進む」ための現実的な選択肢になりました。ただし入口は試験です。まず自分の分野の試験を調べる——今日できるのはそこです。

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田中 誠一

行政書士(外国人在留資格申請専門) ・ 入管申請取次資格保有・申請実務経験10年以上
在留資格申請実務歴10年以上

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